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戦争の悲劇(NZ・今日の話題)

今日は、ニュージーランド・オーストラリアでは、オーストラリア・ニュージーランド陸軍部隊(ANZAC)が、第一次大戦中、ガリポリ半島の攻防戦で払った犠牲を記念追悼する、ANZACの日です。第一次世界大戦で戦った兵士たちばかりではなく、第二次大戦・朝鮮戦争・ベトナム戦争それに近年の国連平和維持部隊の一員として任務に付いた兵士たちの、犠牲と貢献に感謝し、戦争の悲劇とその無意味さに思いをはせる日でもあります。

こちらに来てしばらくは、ANZACの日は、日本人の私には関係ない、ただの休日、と思っていたのですが、12年前だったでしょうか、当時、地域の合唱団に属し、声楽に興味があった私は、「ANZACの声楽と朗読の夕べ」という催しがSt Andrew's On Terrace教会の聖堂であると聞き、音楽のほうに惹かれて出かけていきました。

音楽のことはほとんど覚えていませんが、朗読のほうは今でもよく覚えています。第一字大戦に従軍し、ベルギーの寒村パッシェンデール(Passchendaele)攻略作戦に参加した兵士の日記の朗読でした。淡々とした文章の朗読から、塹壕線の惨めさ、戦闘の残酷さ、戦争の空しさが沁みるように伝わってきました。(このパッシェンデールの攻防戦では双方、特に連合国側に多大な死傷者を出し、特に10月12日の戦闘では、無謀な攻撃命令のもと1日で900人近いKIWIが戦死。ニュージーランドの歴史上最大の戦死者を出した日となりました。)

このとき以来、NZ人たちのANZACの歴史をはじめとした戦争の犠牲に対する想いに、もっと敬意を払わなくてはと感じるようになりました。ニュージーランドは日本やアメリカのように民間人大量殺戮という戦争犯罪の加害者になったこともなければ、日本やイギリス、ヨーロッパ諸国のように空襲を受けたり、戦場になって国土が瓦礫の山に化した経験もありません。そんな「罪のない」ニュージーランドだからこそ、逆に戦争を美化することなしに、兵士たちの勇敢な自己犠牲に感謝し、若い命の損失を惜しみ、戦争の空しさ・無意味さを認識しながら追悼することができるのだと思います。

They shall grow not old, as we that are left grow old;

Age shall not weary them, nor the years condemn.

At the going down of the sun and in the morning

We will remember them.

(The Ode, from "For the Fallen" by Laurence Binyon)


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